教育に対する革命的アイディアが生まれない理由(2002/03/02) - ひとり言


もしたった今、地球上の誰かが教育に対する革命的アイディアを発見したとしても、人々はその人のアイディアをすぐに取り上げることはないだろう。その人間に付いたラベルを見て評価するだろう。そしてノーラベルであったら、そのアイディアは、ある地球人の寝言として消えていくのだ。そのラベルとは「・・・大学教授、・・・研究家、・・・評論家、・・・大臣、・・・心理学者など」である。別な表現をすれば「有識者達」である。それは学歴社会の勝者たちであり、日本の社会が人生の成功者としてその人間に付けたブランド品としての証明のラベルである。討論会、研究会、フォーラムなどには当然のごとく必需品、いや必需人である。その存在や立場はとても重要だが、それらの分野のプロということは、その分野の価値観や視点でしかそのテーマを見れないことになる。世間の人々は「それだから素晴らしいアイディアが生まれるんだ」と言うかもしれないが、20年も30年もの間、何万人ものそれらラベルのついた人々が、何万回もの研究会、フォーラムなどで教育が論じられ素晴らしいアイディアが生まれてこなかったという事実、そして大きな変化が無かったことが証明しています。

特に今回の番組のように教育を論じる場合、学歴社会(日本の教育シズテム)の勝者たちのラベルの持った人々が、そこに集まり、今の教育問題、今の教育全体、学校というもの、先生というものの存在理由など、その全体を見渡すことができるのだろうか。学歴社会の敗者、あるいはどちらでもない人々からの視点でものを述べることができるのだろうか、疑問である。 

(ただ、そのためにこうしてNHKは、教育に対する一般の人々の考え、つまり有識者及び、有識者以外の人々、ノーラベル、ノーブランドの人間たちの意見をEメールによって聞こうとしている訳で、深く感謝しています)